私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
リスタート
週末の土曜日。深刻そうな顔で志季のたまり場は埋まる。
志季に残ると決めた8人はもともと初期のメンバー。
志季が出来たから加わった子たちが多い状況、また振り出しに戻るかもしれない…。
ヤンキー座りとか思い思いの格好で私を見るみんなに視線を向ける。
「…尾木くんの話は、もうみんなの耳に入ってると思う。これからどうするか、決めていきたい」
ざわつくみんな。
8人以外はそんな話聞いてないもんね。驚くのも当然だ。
「なぁ、これからどうするかって、どういうことだよ」
「…それは」
「はっきり言えば、メンバーの選別だ」
口ごもった私に代わってトーマスがはっきりと告げる。
その瞬間、みんなが息を飲んだことが分かった。
「ちょっと待ってよ!メンバーの選別って、尾木が勝手にやったことでしょ!?なんで私たちまで」
「尾木がやったことは、志季の存続にかかわる内容だった。それを、俺たちの中で誰も気づけず、商店街に被害が出てから分かったんじゃ遅いんだよ」
「そんなの!私たちが悪いっていうの!?」
「秋奈さん!なんでメンバーの選別なんか!」
「…はっきり言えば、信用できないから」
心を殺せ。悪役になれ。余計な感情はいらない。
顔から表情が一瞬で抜ける。みんなの顔は呆然としたものだ。