私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「秋、付き合え」

「えぇ、また憂さ晴らし?」

「分かってるならさっさと来い」

「やだ」

 テスト後は試合しようって言われると思ったけど、本気だとは…。

 そっぽを向いたら背中がひやりとする。

 恐る恐る振り返れば、瞬の顔が恐ろしくて思わず悲鳴を上げた。

「憂さ晴らしって…秋奈と永井くんまさか!」

「理紗、違うからね」

「2人ともほんとに付き合ってないの?怪しい」

「だから違うってば」

「秋、行くぞ」

「うわ!?ちょ、瞬やめてってば!理紗、またね」

 瞬に引きずられて教室を出る。

 理紗に手を振ったけど、振り返してくれなかった…。

 もう!瞬が急ぐから…。

 瞬の顔を見れば、なぜか少し険しくて、また機嫌悪くなった…?
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