太陽みたいな人でした。
「亜子ちゃんって岩淵先生のなんなの?」
唐突すぎる。
「なんなのって?」
唐突すぎて全然話についていけない。
「亜子ちゃんさぁ、岩淵先生の素知ってるでしょ?こないだ見ちゃったんだよね。」
あぁ、睨んでたやつね。
「うん。それが何なの?」
「何なのって何なの?!素の先生知ってるからって調子に乗らないでよね!先生が特別扱いしてるのは私だけなんだから!!」
この子怖い。病んでれ?
「私は岩淵先生の生徒でしかないよ。」
そう。私のことなんてなんとも思ってない。
生徒の1人以外の何でもない。
「じゃあ、亜子ちゃんは先生のことすきじゃないんだよね?」
何なの。なんでこんなこと紗季ちゃんに聞かれなきゃいけないの?
「…好き。」
「やっぱり好きなんだ。意味わかんない。ほんと意味わかんない。最近先生あんたのことばっか話しててムカつくのよ!!特別なのは私だけでいいのに!!」
紗季ちゃんが私の頬を叩いた。
何が起きてるのか分からない。なんで叩かれたんだろ。ただ好きでいることさえもダメなの…?
それに私の話っていったい…
「おい!お前何してんだよ?!」
後ろから岩淵先生の声がした。
「え?岩淵先生いつからそこに…」
紗季ちゃんの顔がみるみる青ざめて行く。
「そんなことどうでもいいだろ。それよりもなんで亜子さんのこと叩いてんだよ。」
やっぱり紗季ちゃんにはその口調なんだ…。
「つか、お前のこと特別扱い?何言ってんの?お前が前に告ってきてそこからストーカーっぽくなってるからお前には優しくする必要ねぇって言ってんだよ。」
え…どういうこと?紗季ちゃんは特別じゃないってこと?ただの勘違い?
岩淵先生の声はいつもり低く、少し怖かった。
「え、でも、私は…」
「でもじゃねぇよ!余計な奴巻き込むんじゃねぇよ。次そーゆー勘違いで周りの人巻き込むんだったらただじゃすまねーからな。」
紗季ちゃんは少し涙目になりながらその場を後にした。
紗季ちゃん
「俺のせいで迷惑かけたな…。頬大丈夫か?」
岩淵先生に頬を触られドキッとする。
「大丈夫です。それよりも紗季ちゃんがストーカーって…?」
さっきから話の展開が早すぎて全くついていけていない私。
「あぁ、結構前にあいつに告られたんだよ。でも、俺生徒と付き合う気とかねぇし、俺の素見せたら離れてくかなとか思ったのに全然離れていかねーし、気持ち悪いったらありゃしねぇ。」
そーだったんだ。
ホッとしている自分がいた。
そして、それと同時にふと思い出す。
…岩淵先生はどこから話を聞いていたんだろう。
私が岩淵先生を好きなんて知られたら私も紗季ちゃんのようにめんどくさがられてしまうのかな…。
そう思うと胸が締め付けられたように痛かった。
「てか、亜子さんって…俺のこと好きなの?」
聞いてたんだ。認めてしまったらどうなってしまうか考えると怖くて仕方なかった。
「…な、何言ってるんですか?」
認めたら終わりだと思った。
「話聞いてたんだけど…ってそんな悲しそうな顔すんなよ…。亜子さんってほんと顔に出るのな。」
私…そんな悲しそうな顔してるの?
そんなの認めてるも同じじゃん。
…どーしたらいいの?
余計に泣きそうになる。
そんなことを考えていると私はなぜか岩淵先生の腕の中にいた。
何が起こってるの…?
「えっと、岩淵先生…?」
「…あ、いや、悪い。何でもないから気にすんな。」
岩淵先生はそう言って私から離れると
「じゃ、じゃあ、気をつけて帰れよ。」
といい、どこかへ行ってしまった。
えっと…ん?え?今の何?
なんで抱きしめられたの?
何度考えても分からなかった。
そーいえば、岩淵先生ってあんなに痩せてたっけ?
なんて考えて、さっき抱きしめられたことを思い出す。
頭がクラクラした。
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