太陽みたいな人でした。

｢荷物多いし、車呼ぼうよ！｣
私の家に荷物を取りに行くと、思ったよりも大荷物になってしまった。
｢車？｣
タクシー？
私の友達には免許を持っているものの車自体を運転している子はあまりいない。
｢今タクシーとか思った？？｣
｢うん。｣
思った。
タクシー以外に浮かばなかった。
｢違うよ〜。私の男友達に頼むの！｣
｢あ、なるほどね！私の知ってる人？｣
正直男の人は苦手だ。
女子校育ちの私には男の人と関わる機会はお父さんと話す以外に滅多になかった。
｢知らないと思うけどいい人だよ。面白いし。ふみくんって言うの〜｣
…男の人かぁとは思いつつも
｢そうなんだ。じゃあ、お願いしようかな。｣
車に乗せてもらうくらいなら…なんて思った。

｢えーっと亜子ちゃんだっけ？初めまして！ふみです！！｣
｢あ、はい。初めましてなのに突然乗せてもらっちゃってなんかすいません。｣
ふみさんは気さくで話しやすかった。
｢ふみくーん。お酒買ってー。今日は亜子とお泊まりでたこパするんだから〜！｣
たこパするなんて初耳ですよ。ミキさん。
｢亜子たこ焼き大好きだからたこパするの〜！｣
…惚れますよ。ミキさん。
｢俺も混ぜて〜！てか、俺も泊まるの忘れんなよ〜！｣
……ん？ふみさんも泊まる？冗談？
話が上手く飲み込めず、ミキの方を見る私。
スマホを指さすミキ。

『ごめんね。ふみくんと２人でお泊まりって話になってたんだけど突然不安なっちゃって亜子誘っちゃった(´>∀<｀)ゝ笑』

え。まぢで？さっき知り合ったばっかの男子と泊まり？
｢亜子ちゃん！元気無いけどどした?!｣
｢あー…なんでもないです！｣
必死に口パクでごめんねと言うミキ。
普段気にならない『ごめんね』のはずなのに
今日は何故か怒りを感じた。
｢男苦手って知ってるはずなのに…。｣
｢え？亜子ちゃんなんか言った？？｣
ぼそっと口に出した密かな心の叫び。
｢何も言ってないですよ？｣
初めてミキに嫌気を感じた瞬間だった。