愛しすぎて。


頭が何も働かない。


俺が涙を流しているように、亜由紗も俺の背中で泣いている………。




どうして…


亜由紗は何を思って泣いているの



「―――どうしたの」


もう一度問いかけてみる。


「……ヒドイ。」


泣きながら一言そう言った。



「ぇっ…」



「別れたいなら別れたいってはっきり言ってよ!!
別れるのを私のせいにしないで!!!」


声を荒げて亜由紗は続けた。



「好きじゃないならそう言えばいいんじゃん!」




何だそれ。



「ふざけんなよっ!!!」

バンッと近くにあった机を蹴り飛ばし、亜由紗の方へ向く。



「…何言ってんの本気で怒るよ。」


目を合わせた瞬間、スイッチが入ったかのように亜由紗は再び涙を流す。



「私知ってるもん…。
いつもさぁ…部活中楽しそうに女の先輩と話してるの。ずっと見てたんだもん……。」



「普通に先輩と話してて何が悪いわけ」



「……。」



ハァ―。


大きなため息をつく。



意味わかんないし。


てか…俺の気持ち何でこんなに汚されなきゃなんねぇの




“好きじゃないならそう言えばいいじゃん”って…



それはないだろう。。





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