愛しすぎて。


「ホテル…。」




「えっ…」



尚輝がびっくりした顔でこちらを見た。



「わっ!!もしかして私今声に出してた違うの!尚輝行きたいのかなぁと思って…。」


顔がみるみる温度を上げているのがわかる。


何大胆な事言ってんだろっ!恥ずかしい……(涙)



ちらっと尚輝の方を見ると―――



酷く怒っているように感じた。


恐る恐る



「尚輝…」


と訊ねてみると――――



「お前…俺のことなめてんのふざけんなよ!!!」

尚輝の怒鳴り声を聞いて体が固まって、頭が真っ白になった。



「俺がどんな気持ちで……

もういいわ。お前なんか知らね。」


一人で歩いて行ってしまう尚輝に、声を掛けることなんて到底できなくて。




ただ黙って小さくなっていく尚輝を見ることしかできなかった。





Side 尚輝に続く☆



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