囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
今朝が自分のワンルームから出社する最後の日だった。
何も準備はしていない。
昨夜課長から、私が出社している間に荷物を引っ越しておく旨を伝えられていたからだ。
電話一本で全てが思い通りなのだから、カネの力はオソロシイ。
自分自身はというと、終業後に藤城課長が連れて帰ってくれることになっている。
なので、午後8時を越えた今も出先から戻らない、藤城課長をひたすらデスクで待っていたのだが……
「あれえ?四葉サン、残業?」
声を掛けてくれたのは、同課の香河紀文(コウガ ノリフミ)先輩だった。
仲の良いほか2人の先輩と連れ立っている。
「え、ええまあ…」
先輩は不思議そうに首を傾げた。
そりゃあそうだろう。
私に残業が必要な仕事など、まだあるはずがないのだから。
私は慌てて言い直した。
「あの!…ちょっと自分なりに勉強ナドをしております、ハイ」
「ふうん…」
皆から「キブンさん」と呼ばれている彼は、気さくで面倒見の良い先輩。
27歳の独身かつ爽やかなイケメンときて、女の子の人気も高い。
かく言う私も、実は秘かに憧れていたりする。
何も準備はしていない。
昨夜課長から、私が出社している間に荷物を引っ越しておく旨を伝えられていたからだ。
電話一本で全てが思い通りなのだから、カネの力はオソロシイ。
自分自身はというと、終業後に藤城課長が連れて帰ってくれることになっている。
なので、午後8時を越えた今も出先から戻らない、藤城課長をひたすらデスクで待っていたのだが……
「あれえ?四葉サン、残業?」
声を掛けてくれたのは、同課の香河紀文(コウガ ノリフミ)先輩だった。
仲の良いほか2人の先輩と連れ立っている。
「え、ええまあ…」
先輩は不思議そうに首を傾げた。
そりゃあそうだろう。
私に残業が必要な仕事など、まだあるはずがないのだから。
私は慌てて言い直した。
「あの!…ちょっと自分なりに勉強ナドをしております、ハイ」
「ふうん…」
皆から「キブンさん」と呼ばれている彼は、気さくで面倒見の良い先輩。
27歳の独身かつ爽やかなイケメンときて、女の子の人気も高い。
かく言う私も、実は秘かに憧れていたりする。