囚われのサンドリヨン ～御曹司様のご寵愛～【番外編を追加しました】

ってなわけで今、私は暖め直したコンソメスープを口に運ぶ彼を、はす向かいから眺めていた。

キチンと伸びた背中。
小さい頃から叩き込まれたのだろう、一つ一つの所作が流麗で美しい。

ふと口元に目がいった。

男性にしては細くて長いキレイな指が、銀のスプーンをキリッとした口元に運ぶ。

艶めいた唇が、銀色の縁に柔らかに触れる。

デート、かあ…大人だもんね。

やっぱり…キスとかしちゃってるよね。
イヤ、それよりもっとスゴい事を…

ヤダヤダ、私ったら何を考えてるのっ


想像の範囲が限界を超えた時、端から不審げな声がした。

「人をジロジロみてるかと思ったら、さっきから何を赤くなって暴れてるんだ」

気がつけば、お代わりのお皿を付きだす彼が呆れ顔で見ていた。

あわわわわ…

慌てて席を立った私に、彼はニヤリと笑った。

「何を考えてたか、当ててやろうか？」

「け、ケッコウです！」

“分かっているぞ”
私の子供っぽい頭の中など、見透かしたかのように笑う彼。

も～、意地悪アクマ。大っ嫌い‼

その後ずっと真っ赤な膨れっ面でいたら、サルみたいだとまた笑われた。