ストレートな君

智哉side




「美乃梨さん遅いなぁ」



そう独り言を言いながら、壁に身体を預けたまま、頭を壁にこてんと当てる。



僕が今いる所は下駄箱。



かれこれ20分近くは待ってる。かなと思う。


いつもSHRが終わったら走って下駄箱に来て待ってる僕だけど。



美乃梨さんがここまで遅いのは初めてだ。




何かあったのかな。



不安になって色んな考えがぐるぐると頭の中を駆け巡る。



「ふぅ...」


小さく息を吐く。



......だめだだめだ。




美乃梨さんにとって僕はただの後輩で、ただのお隣さんだから。



彼氏でもなんでもないから。




不安だなんて思ったらだめだ。



昔から考え出したら止まらない性格の僕はこうして心の中で葛藤する事が多い。




「はぁ...」




こんな僕はだめだなぁ。



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