ストレートな君



『忘れてたのよ〜。もう一度家出るの大変だから美乃梨が帰ってくるまで待ってたの』



ふふっと笑いながら言ったお母さんに溜息しか出なかった。



〝家出るの大変〟だなんて嘘だ。



ただ単に面倒くさかっただけに違いない。



『それに夕方から1人3パックまでで値段もお得なキャンペーンしてるから丁度良くて〜』



『分かった分かった』



つらつら喋っているお母さんは放っておこう。




通学鞄から財布を取り出すと、コンビニに向かった私。




コンビニに着き、かごを手に卵コーナーに行って卵を入れている最中、突然後ろから声が聞こえてきた。





『いらっしゃいませ。偉いね。おつかい頼まれたの?』



低い聞き慣れない声が聞こえてきて後ろを振り返る。



そこには、コンビニ店員とみられる背の高いスラッとした男の人が立っていて。



『はぁ、まぁそんなとこですね』



適当に返事を返す。


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