強引社長に捕獲されました!?
孤独な子猫を拾ったら
「今月の、分です……」
「………………確かに。じゃ、また来月」
「……はい」

私は毎月、この時間が一番苦痛だった。


スーツなのにだらしない格好の二人組。
私を憐れんだように見て、でもそれを楽しんでいる。
私はこの瞬間のために、一ヶ月間働き詰めたお金を一人の借金取りに渡す。
すると必ず、もう一人の煙草をくわえた借金取りに煙を吹きかけられた。

「ケホッ」


こうして一ヶ月が終わり、また私の一ヶ月は始まる。


いつも通り溜め息を吐き出し、二人に背を向けると一人の借金取りに呼び止められた。

「あぁ、それと!来月から返済額上がるからね」
「え?」
「遅延損害金」
「ちえん……?」
「そういう約束で借用書書いてあるんだから、よろしくね」
「ちょ、待ってください!」
「こっちもね、かなーり善意的に取り立ててんだから、誠意で返してもらわないと」
「でも、これ以上は……」
「あんた、いつくだっけ?」
「二十歳ですけど……?」

今の額でさえ毎月ギリギリなのに、これ以上増えるなんて私の稼ぎではとても……。
口ごもっていると、一人の借金取りに肩をトントンと叩かれ、そのまま腰から下を撫で回された。

「色々あるでしょう?」
「っ!?」
「ガンバッテネ」

「…………そんな」

ゲラゲラと笑いながら去っていく、二人の後ろ姿を見て立ち竦む。
途方に暮れた私は、その場に膝をついた。


本当に、どうしたらいいの……。
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