若の瞳が桜に染まる
新入社員の紹介があると聞いて、あれからもう一年経ったのかと時の流れを実感していた。
遂に後輩ができると嬉しい反面、今までのように甘えてはいられないと気が引き締まる思いで席を立った。

この黒髪で爽やかに見える青年の名前は天祢我久。

長身で男性にしては細い体は普段着のTシャツすらもスマートに着こなしている。
少し頼りなくも見える甘い顔は女性を虜にするものの、人見知りで女性に対して特に慣れていない我久はその能力を活用しきれていない。

悲しいことに、職場の女性社員ですらもあまり関わり合うことがないくらいだ。
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