クジ引き
☆☆☆

久しぶりの学校は少しだけ緊張した。


何度も通っているはずなのに、仮病を使ってしまったという罪悪感が足を重たくさせていた。


「彩花、おはよう!」


階段で声をかけられて振り返ると、隣のクラスの子が手を振っている。


「おはよう」


あたしはいつも通り手を振り返した。


「しばらく休んでたんだって? もう大丈夫なの?」


ツインテールを揺らしながら階段を上って来る友人。


「うん。もう大丈夫だよ」


「それならよかった。菜々花が心配してたよ」


そういえば、菜々花からメールが何件か届いていたのを思い出した。


メールに返信なんてしている場合じゃなかったし、つい忘れていた。


「そっか。元気な顔を見せてあげなきゃ」


あたしはそう返事をすると、自分のクラスのドアを開いた。
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