クジ引き
「連絡しても全然返事来ないし」


そう言われてあたしはスマホを取り出して確認した。


サイト検索ばかりしていて、メールやメッセージの確認を忘れていた。


菜々花からも心配するようなメールが入っていて「ご、ごめん」と、すぐに謝った。


「いいよいいよ、昨日は体調が悪かったんだし」


本気であたしの事を心配してくれている菜々花に、あたしは余計に気持が重たくなってしまった。


その時だった、文哉とそらの2人が教室の中へと入ってきた。


「お、彩花今日は来たのか!」


元気よく片手を上げてそう言ってくるそらに、あたしは焦った。


2人はあたしがショッピングモールにいたことを知っている。


「う、うん」


あたしは菜々花の方を気にしながら頷いた。


「昨日こいつ男と一緒だったんだぜ」


茶化すように文哉がそう言ってくる。


「ちょ、ちょっとばらさないでよ!!」


慌てて文哉を止めようとしたものだから、文哉の言葉を肯定したのも同然という形になってしまった。
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