クジ引き
見覚えがある顔
翌日。


どうにか気持ちが落ち着いたあたしは、昨日と同じように朝日に家の鍵を渡して学校へ来ていた。


いつもと変わらない日常の風景がなぜだかあたしの心を苛立たせた。


楽しそうに笑っているクラスメートたちを見ると、自分の状況が耐えられなくなりそうだった。


「彩花、今日は元気ないね？」


教室に入ってきた菜々花が1人で椅子に座っているあたしにそう声をかけて来た。


「あんまり、調子がよくなくて」


あたしは適当な返事をした。


今は誰かと仲良く会話する気分でもなくて、菜々花から視線をそらせた。


「大丈夫？　そういえばさ、好きな人の写真とってきてくれた？」


菜々花なら気が付いてほっておいてくれるはずだったのに、朝日の顔が気になるようでそう聞いて来た。


見ると少し申し訳なさそうな表情を浮かべている。


そんな顔をするなら後からにしてくれればいいのに。


そう思いながらも、スマホを取り出した。
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