しょうがねーな、まったく。
大きなお世話だっつうの。

< 大きなお世話だっつうの。 >



 ヤバい、ヤバい、今日も間に合わない。もちろん、わざとじゃないし、私なりに最大限の努力はしているつもりだけど、どうしてもこの時間になってしまう。

 そんな言い訳、どこにも通用しないのはよくわかってるけど、毎日やって来るこの時間帯が憂鬱でたまらない。

 息子を待たせてしまっている罪悪感、先生たちからの「いい加減にしてよ」と言わんばかりの冷たい視線。じゃあ、どうすればいいのか、誰か本気で教えてほしい。

 連日、他の社員が仕事をしている中、一人で退社して来るのは気が引ける。「いいのよ」って言いながら、本当は呆れられてるのも知っている。ここまで辿り着くまでの短い時間の中で、私だってだいぶメンタル殺られてるんだって。

 念願が叶って認可保育園に転園できたはいいけど、規模の小さい保育所時代と比べると、当然ながら時間に厳しいし、やたらと決まりごとやら係活動やらが多い上、イレギュラーな相談もまず通らない。

 それなりにわかっていたつもりが、実際やってみたら、普通に園生活を送ることさえ難しい。
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