囚われ姫と金と銀の王子

・・・それからさらに数日経ち。

ソフィアは未だ目覚めない。


もしかしたら、もう目覚める事はないのかもしれない。

それを考えると背筋が凍りそうになる。


けれど目覚めた所で、私の事を好きになってくれるかどうかもわからない。


でもそうなっても仕方がないと思う。


自分は今まで同じような事をしてきたのだから。

死ぬ事が私の罰ではないのなら、愛して欲しいと思う人に愛されず苦しんで悩む事が、私への課せられた罰なのだろう。



・・・それでもいい。


それでもソフィアには生きていて欲しいと願う。

私を好きにならなくてもいいから、生きている事は幸せな事だと感じて欲しいんだ。



だからその目を早く開けて欲しい。

あの強さを含んだ瞳で、私を見つめて欲しい。


多くは望まない。

ソフィアさえいれば。生きていればそれで。


それでいいのだから―――・・・。
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