囚われ姫と金と銀の王子
「憂鬱だわ・・・本当に」
「さ、ソフィア様、行きましょう。そろそろお時間です」
城の廊下はやたらと静かで、何故か空気が重く感じた。
カツカツ、と靴の音がやたらと響く。
城を見回る騎士の瞳が冷たく刺さる。
途中すれ違う侍女や侍従達の瞳も、歓迎されているものではない。
私はため息が止まらなかった。
そのため息は、食堂に近付くたびにどんどんと増えていって・・・。
―――そして、その扉は、開かれた。