囚われ姫と金と銀の王子
「では殿下、私が慰めてあげますわ。殿下が少しでも心落ち着くように」
「そうさせてもらおう、エリス」
彼女の首筋に唇を落とす。
甘い吐息が彼女の口から吐き出された。
・・・そうだ。
本来女というものはこうでなくては。
潤んだ瞳で私を見つめ自分の弱さを前面に出す。
そして私に縋り、愛されたいと呟く。
私の言葉に一喜一憂し、必死に取り繕う様は見ていて愉快この上ない。
だからこそ、あの女の態度は余計私の癪に障る。
私の言葉に対し、逆らう事は許されないんだ。
―――全ては私の思いのままに。