囚われ姫と金と銀の王子
「夫婦って・・・仮のでしょう?」

「仮でも神の前で誓ったんだ、夫婦になった事には変わりはない。今日、私達は夫婦になった。そして夫婦になって初めての夜だ。君もバカじゃないんだから、その意味くらいは分かるだろう?」


そう私が言うと、ソフィアは目線を上にして考え込む。

頭の中で理解が出来たのか、徐々に顔を赤くしていった。


「・・・は!?」

「ようやく理解したか。そうだ、お前と初夜を過ごすためにわざわざ来てやったんだ。感謝しろ」


動揺したソフィアを見たのは初めてで少し嬉しくなってしまい、そう意地悪に言葉を返す。



さて、そのまま恥じらうのか?

女としての弱さを私に見せるのか?



私の心臓はまた激しさを取り戻していた。




・・・だが。



「無理!私達の間に愛もないのに、アンタと一緒になるなんて出来るわけないでしょう!?自室へとお戻り下さい!」

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