マーガレット
夕方の着信音
変わらない風景
ピピピッ ピピピッ ピピッ
いつもと同じ時間に鳴る目覚まし時計を止めて、布団の中でもぞもぞと動く
12月に入ると気温がグッと下がって、毎日寒くてたまらない
特に氷点下となる朝は身が縮むような思いをする
だから、朝は布団からなかなか抜け出せない
あと5分だけ……
そう思って頭から布団を被る
それからしばらくすると、ドタドタと勢いよく階段を上るお母さんの足音が聞こえた
「沙奈、いつまで寝てるの!さっさと起きなさい!」
ノックもなしに部屋に入ったと思ったら、いきなり布団を剥ぎ取った
裾が捲れたパジャマの隙間から、体を刺すような冷気が流れ込む
「さ、寒っ!」
一気に目が覚めた私は飛び起きる
「まったく……拓海君待たせてるんでしょ?早く行きなさい」
「……はーい」