白の唄
「おいリアス、どこいくんだ」
「世界の果て」
「何言ってんだ」
「あんたこそ何言ってんの。意見が食い違うならあんたとはここでお別れねいままで楽しかったわさよならまた会う日がありませんように」
「俺が嫌いなら嫌いとそう言え」
「嫌い」
「……」

短めの金の髪を高く結い、グリーンの瞳を持つ20歳くらいの女「ナツ」と茶色く、所々立たせた髪に蒼い瞳のナツと同じくらいの男、「カナ」。身長は女が160、男が180弱といったところか。
2人が漫才にも似た会話をする真ん中を歩いているのがリアスと呼ばれた青年。カナより身長は低いがそれでも170後半だろう。短すぎるわけでもワックスで固めてるわけでもない自然と立つ髪は白銀の糸のようだ。白いさらりとさた肌にガラス玉のような碧眼。青というよりは深い海の底のような暗い色をしているが、見据える瞳には銀を散りばめたような輝きがある。少し銀の装飾が入った深緑の襟の立った上着と胸元に切れ目がある白のシャツ。灰色のパンツの裾を脛ほどまである白いブーツの中に入れている。無駄な筋肉のない、すらりと引き締まった身体、小さい顔、その容貌。不健康そうに見えるのは目つきのせいだろうか。

「だからどこに向かってんだよ?町は向こうだぜ?」

そう言って反対方向を指差すカナもちゃんと付いてきている。

「人の気配がした」
「人の?こんな森の中に俺ら以外の人なんて…」

辺りをキョロキョロと見回すが、誰もいない。
それでもリアスは草むらを掻き分け、ザクザクと進んでいく。葉っぱがくっついているが気にしていない。
10メートルほど進んだだろうか、ふいにリアスが足を止めた。

「リアス?何があっ…」

リアスは1点を見つめていた。その先には白い少女が横たわっていた。



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