ずっとお前を待ってるから
「柚那ちゃんは可愛いからすごくその格好似合ってるよ」

「な、なんか…恥ずかしい…」

「おい、なんで俺の時は恥ずかしがらねえんだよ」

「じゃ、じゃあ…鈴子ちゃんが言うなら…」

「無視すんなよっ…!」

容姿端麗とは正にこの事だと思う。綺麗な顔立ちで口元に弧を描く。微笑まれる顔は女神のようで周りにいた誰もが鈴子ちゃんに見とれた。

「そういえば、冬二君と柚那ちゃんは幼なじみなんだよね?」

「…そうかもしれなくもない…と思うよ」

「はっきり幼なじみって認めろ!」

少し色素の薄い茶色の長い髪を横に流し首を傾げながら問い掛けてくる姿でさえも美しい。それに見とれつつも曖昧に返答すると冬二が不服に声を上げる。

「いいなー…幼なじみって羨ましい」

「そ、そうかな…」

「だって、誰もが憧れるよ?」

微笑む顔に思わず顔が赤くなる。羨ましいだなんて初めて言われたな…。あ、用事があったんだった。と私に手を振り去って行く姿に何故か海が怪しげに笑う。

「可愛いな…鈴子ちゃん」

「…あの子きっと冬二君の事好きね」

「え、そう?私にはそう見えなかったけど…」

「宣戦布告を受けたようなもんよ、柚那」

「う、嘘…!?」

海の言葉に絶句するも鈴子ちゃんがこんな私に宣戦布告するとは到底思えない。

「あの子は要注意人物になるんじゃないかしら…」

「…俺もそう思う」

「冬二まで…!?」

何故か冬二まで海の言葉にコクコクと頷いていた。二人は握手を交わし何やらよくわからない事で共鳴したようだった。

「私にはわかりません…」
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