イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?

部長流のなぐさめ方



仕事を任されたからには、できる限りのことをしたい。私にも何か一工夫できないものかと頭を悩ませて、ひとつ思い付いたことがある。

部長にOKをもらえるかわからないけど、やるだけやってみようと、家に帰ってから夜遅くまで机に向かっていた。

寝る前にもパンフレットとメモを交互に見て、迎えた展示会当日。

午後一時から行われているそれには、若い人から年配の人まで、たくさんの取引先の方が訪れている。

レディーススーツに久々に袖を通した私は、最初は緊張しまくりだったものの、次第にお客様と話すのが楽しくなってきて、スムーズに商品の説明ができるようになっていた。


一組のお客様の対応を終えると、通路を挟んで斜め向かいのテーブルの前にいる部長の姿が目に入る。彼もこちらを見て、視線が合った。

ドキッとしつつ、きっと気にかけてくれているのだろう彼に、“大丈夫です!”と伝えるようににこりと笑顔を向けた。

部長がホッとしたように表情を緩めるのを確認した直後、新たなお客様がやってくる。スーツ姿のアラサーらしきイケメンと、私より年下に見える可愛らしい女性の二人組だ。


「へぇ、ギリシャヨーグルトも扱い始めたのか」

「あたしこれ大好きです! ダイエットにもいいし」


興味深げにヨーグルトを見ているふたりの距離は、なんだか異様に近い気がする。


「お前ダイエットなんて考えてもないだろ」

「あれ、バレました?」

「毎日スイーツ食ってりゃ当然。でもする必要ねぇぞ。抱いてて気持ち良いから」

「相変わらずヘンタイですねぇ!」

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