イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「でも、終わりにするのは土曜の後だ」


必死に堪えていると、そんなよく意味のわからないことを言われて、私は落ちかけていた視線を上に持ち上げる。


「どうして……? 親に会う必要なんてないじゃないですか」


この人の考えていることはさっぱりわからない。

私は憮然としながら、勝手に込み上げてくる想いを、早口で支離滅裂に並べる。


「私のことならほっといてください! 部長には感謝してます。ちょっとでも偏差値を上げてもらえた気がするので。そのおかげか……こんな私でも、好きだと言ってくれる人がいたんです」


昨日の早乙女くんの告白を思い出し、部長から目を逸らして最後は声のトーンを落としていた。こんな時だけ引き合いに出してごめん、と心の中で彼に謝りながら。


「きっといつかはお婿さんになってくれる人も見付かるはずだから、諦めずに探しまぅ──」


半ばヤケで吐き捨てようとしていたら、顔に圧迫感が。忘年会の時のように、ぶにょっと頬を両側から掴まれたのだ。

うぅぅ、なぜまた……!


「その減らず口、もう一度塞がれたいか」


うっすら笑みを浮かべているものの、こめかみに怒りマークが浮き出ているように見える部長様。

逆ギレですか!? あなたのせいで私が怒っていたのに!

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