Savior-社長は救世主-ⅱ


『ねぇ、絢斗。いつまであの女の匂いが付いている服…着ているの?』


抱きついたからだろうか?
スーツに匂いが移ったのか
香水の匂いが離れていてもわかる



「ご、ごめん」


絢斗は焦ったのか
その場でスーツ、ワイシャツ、ネクタイを脱ぎ始めた
あっという間に白いシャツと下着と靴下姿
なんとま哀れな姿だ



私は立ち上がり、絢斗の周りを嗅ぎまわった



『シャツも…なんだか靴下も香水臭い』


絢斗はまた慌ててごめん、と
シャツも靴下も脱いでしまった


そして今は下着姿だ
恥ずかしい気持ちはないのだろうか
絢斗は香水の匂いがしないな
自分の身体の匂いを嗅いでいる



『身体に染み付いたかしら』


それがトドメだったのだろう
絢斗の肩はガックリと下がってしまった
< 134 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop