ニコル
言えない悪夢
 気味の悪い夢に浩二はうなされて目を覚ました。
 夢の中にいたニコルがまだ側にいるんじゃないか、そう思って周りを見回してみたが、当然のように保健室の白いカーテンが拡がっているだけだった。
 「近藤先生、大丈夫ですか?」
 堺が心配して白いカーテンの中から顔を出した。浩二は堺の顔を見て、顔が青ざめ、校内中に聞こえるのではないかと言うくらい大きな声で叫んだ。
 堺は浩二に何かがあったのかと駆け寄った。
 「どうしたんですか?」
 駆け寄って来た堺を浩二は懸命に遠ざけようとした。
 「く、来るな。」
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