未熟女でも恋していいですか?
食費は払うよ
「白ネギ、白菜、糸こんにゃく……はやめて……」


「何でだよ。すき焼きなんだろ?」


糸コンは定番だろう…と、買い物用のワゴンを押す人は言った。


「私、昨日までこんにゃくとは切っても切れない生活していたのよ。今日くらいその食材は見たくない」


ついでに言うなら焼き豆腐も入れたくない。


「だったら何を入れるつもりなんだよ……」



ぐぐぅ〜〜〜と大きな音を響かせている。

車の中で待っておいてもいいと言ったのに、どうしてわざわざ買い物に同行するんだ。



「おっ!ハムの試食してる!ちょっと逃げるわ!」


なるほど。これが狙いか。



「変な人」


背中を向けて食材を探す。

白菜、白ネギとくれば、緑の葉物が欲しい。


「春菊は旬を過ぎたから高いし、豆苗は散々使ってきたし、最後の砦はやっぱり水菜!?仕方ない。これにしよう」



一番最後に入れないと直ぐにしんなりしてしまう。

お腹の足しにはあまりならないかもしれないけど、色合いにはなるからいいか。



「えーと、後は卵とお肉と……」


お出汁は砂糖と醤油とお酒で割り下を作ればいいから大丈夫。

国民食のすき焼きは味付けが簡単なところがいい。



「これも入れようぜ」



試食から戻ってきた男が見せるのは餅巾着。



「おでんじゃないですけど?」


油揚げなんかも見たくない。

大豆製品全般は、今や私の敵だ。


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