美月~大切なあなたへ~

力になりたい



『ただいま~。』



珍しく鍵が開いている家の中に声を掛ける。



靴を見ると、弟が帰っているようだ。


ホント珍しい…

いつも遊んでくるのに…



「あー、ねぇちゃんおかえり。」



リビングには、2人掛けソファを占領して、寝転んで雑誌を開く弟がいた。



なんか…ムカつくなぁ…


疲れてるのはお互い様かもしれないけどさぁ…!


『ただいま。てか大輝(ヒロキ)!!
やる事なかったなら買い物とか行っといてよ!』



荷物を入口に落とした私は、冷蔵庫の扉を開けて大輝に一喝。



「………ごめん。今から行くよ。」



『もう遅いからいーよ…。
ある物で夕飯作っちゃうよ。』



溜め息でそう………



まだ申し訳なさそうに私を見る大輝。



『……着替えて来るから、夕飯の支度やってくれる?』



「分かった!!」



嬉しそうに雑誌を片付ける大輝。


なんだかんだ可愛いね。





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