美月~大切なあなたへ~

明される真実

沖田先生は、保健の先生のイスに座った。


私は先生に促されて、みっちゃんの寝ているベッドに座った。



キャスター付きのイスを、座ったままガラガラとこちらに寄せて来た沖田先生。


やってることは、かなりマヌケっぽいけど、顔が真剣。



『先生……自習は……?』


「平居先生に任せた。」


どうやら、ウチのクラスの自習は、教務主任の平居先生が入ったようだ。




「日高……お前は何か気付いてるのか?」


『え……?』



沖田先生は、私を見つめて、徐に口を開いた。



「始め見た時から、マズいな、とは思ってたんだ。

お前がきっかけで、日明が崩れるんじゃないかって。」



私がきっかけで、日明先生が崩れる……?



どういう意味?


私が日明先生を崩してしまうの?




明らかに動揺してしまう私。



視点が定まらないまま俯く。




「悪い意味じゃない。むしろ良い事だ。
日明はこのままじゃいけないからな。きっかけが必要だったしな。

お前がきっかけっていうのは、似てたからだ。」


『に……てた…?』







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