『狂っていたのは、僕だった』〜くる僕〜
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愛していた。






ずっと愛していた。





好きなんかじゃなくて





愛していたんだ。








誰よりも。







どんなものよりも。










僕には


手に入れたい人がいた。










ねぇ、兄さん



兄さんは僕のこと好きかな。








僕はどうしても兄さんがほしかった。










何を捨てても







何を壊しても










兄さんがいるなら






僕はそれだけでいい。






この愛は、






僕の中に静かに



確かに




強く芽生えていた。














軋む音を立て、





まるで、何かが僕を侵すように。













『狂っていたのは、僕だった』









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