君色に染まる恋


明に、会いたい―――……。


涙をこらえ唇を噛んだ時、



「紅」



大好きな、明の声がした。



「っめ、い……」

「おまっ、泣いてんの!?」

「泣いて…っない……」

「いやいや、超鼻声だし…。どうした?」

「…………明のせいだよ…」

「えっ!? お、俺っ!?」



そうだよ……明のせいだよ…。


明がタイミングよく私の名前呼ぶから…だから泣いちゃったんじゃん…。


八つ当たりする私の頭を優しく撫でながら、「教室出るか」そう言って腕を引っ張って行く。


止まらない涙のせいで瞼が熱を持ってる。


――……明のせいで、引かれる腕まで熱を持ってる…。


ホント、どうしてくれるの……。



「どうしたんだよ、紅」

「…っ……明の…せいだもん…っ…」

「……俺、なんかした…?」



悲しそうな明の声に思わず顔を上げる。

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