君に届けた春風

奈津は、あかねに話したことで気持ちが楽になり、気分良く自宅に帰りつく

お風呂上がり、携帯を見る

写メを開き、前に撮った虹の写メを見ていた


翌朝。

あかねは下駄箱で靴を履き替えていた

「あ〜ら、藤野さ〜ん。あなたってすごいわね」

腕を組んで恵里奈が言った

あかね「は?何が?」

恵里奈「あなた、いろんな男と付き合って、体をあげてるんだって〜?まぁハレンチ!」

あかね「何のこと?」

恵里奈「とぼけちゃって。言い寄ってきた男子にはすぐ体をあげるって聞いたから」

あかね「意味わかんない。そんなデマ誰が?」

恵里奈「あなたがいつも一緒にいる水月さんよ」

あかねは耳を疑った

恵里奈「ねぇ〜藤野さん。私達と手組まない?
変な噂流されて嫌な気分になるんだから、水月さんを懲らしめてあげましょうよ」

恵里奈はあかねの耳元で嫌な笑みをしながら言った

あかね「あいにく、私。そんなことには興味ないから。私には強い武器があるもので」

あかねは、冷たく恵里奈を通り過ぎた

奈津が教室に入る

恵里奈「水月さん。おはよう」
恵里奈を真ん中に3人の女子が奈津を囲む

奈津「おはよ…」

恵里奈「ねぇ。私達と友達になりましょう?」

奈津「え。」

恵里奈「前から水月さんと友達になりたいと思っていたの」

奈津は顔が引きつった。

恵里奈「今日は私達とお弁当たべましょう?」

恵里奈「じゃ、また昼休みね」

ニコッとして3人は教室から出た

奈津は席に着く

奈津「あかね。おはよ。」
背を向けているあかね

あかね「おはよ」
なんかそっけない。

奈津(昨日は、あんなに楽しく話してたのに。今日はどうしたんだろ?)

「藤野〜オレ達にもやらしてくれよ」
「俺も!」「俺も!」
男子があかねの側に集まりだす

奈津は何だこれ?って感じで見ていた

あかねは突然席から立ち上がり机を両手で思いっきり叩く

ドン!!

あかね「うるさい!」
あかねは教室からから逃げるように出て行った

奈津はあかねの後を追った

あかねは校舎の裏庭で落ち込んだ感じで立っていた。

奈津はあかねに近づく

奈津「あかね…」

あかね「噂…流したの奈津?」

奈津「え?」
奈津には何の事かさっぱりわからなかった

あかね「私が淫乱女だって。なんでそんな事。
あーぁ。いい友達だと思ったのになぁ。
最悪。」

あかねは走って教室に戻った

奈津「あかね…」

奈津はゆっくり教室に戻りあかねの様子をみながら席につく

授業中もあかねの事が気になって内容が頭に入らない。

昼休み。
奈津はカバンから弁当を取り出す

あかねは奈津に背を向けたまま1人で弁当を食べ始める。

「水月さん。こっちで一緒にたべましょう?」
恵里奈を中心に3人の女子が奈津を誘いにきた。

奈津は「あ…私は」

恵里奈「いいから。」
奈津の服をひっぱり移動させられる。

長谷部と高屋は2人の様子がおかしいことに気付く。

長谷部はあかねの前に座り声をかけた。

長谷部「おまえら。何かあったの?」

高屋「ケンカでもしたか?」

あかね「べつに。関係ないでしょ!」
口を尖らせイライラしながら弁当を食べる

高屋は奈津の様子を見た

恵里奈達が奈津を囲みケラケラ笑いながら弁当を食べている。
奈津はあまり笑ってない

高屋が奈津の所に行く

恵里奈「あ!高屋くん。私達と一緒にお弁当たべよう?」

高屋は俯く奈津を見る

高屋「ごめん。俺、こいつに用がある」
奈津の腕を掴み教室から引っ張り出される

強い力で引っ張られる奈津。

階段の脇で立ち止まる

高屋「藤野と何があった?」

奈津は何も言えず俯く

高屋「やっぱり。噂流したのおまえなのか」

奈津「違う。私じゃない」
目に涙をためて高屋に訴える

高屋「…だよな。」奈津の頭を撫でる

高屋「おまえが、言うわけないよな」

奈津「高屋…」

高屋は奈津に笑いかける。

高屋は奈津に俺に任せろと言っているかのような表情をして教室に戻った。

奈津はしばらくその場から動けずにいた

奈津が教室に戻ると、食べ残したお弁当が机に置いてあった。

教室にはあかねだけが座っていた

あかね「あんたは、バカだね」

奈津「あかね…」

あかね「奈津。私があんな噂信じると思う?」
奈津に微笑んで話を続けた

あかね「あのお嬢様。ちょっとイラついたからわざとあんたとケンカしたふりしたの。
だって、奈津が私を追いかけた後、あの陰であのお嬢様盗み聞きしてたからさ〜」
とウィンクした。

奈津「あかね〜」奈津は笑顔になりあかねに抱きついた。










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