海月物語。
 来海は、海斗に買って貰ったスーツの紙袋を大切に抱き締めて海斗の後を歩く。海斗の足幅は大きく、小走りでないと追いつかない。それを海斗は気付かないでいた。
「腹減ったな~。」
海斗は辺りを見渡した。 
「あ!あそこ入ろう。」
海斗は、アウトレット内のレストランに入る。来海も後から入る。入ったレストランは、おしゃれで落ち着いた雰囲気だった。海斗と来海は席に座ると、一緒にメニューに目を通した。 
「決まった?」
海斗が聞く。
「私、オムライス。」
来海は答える。海斗は大きい声で定員を呼んだ。
「オムライスと、ハンバーグのAランチ。」
海斗が一気に注文をする。定員は注文を取り終えるとすぐ去った。
「あ、あの。スーツありがとうございます。」
来海はまだスーツを抱き抱えている。
「そんな嬉しそうにされたら、たまらんな。」
海斗は、来海が抱いているスーツの紙袋を空いている椅子の上に置いた。
「私明日から、頑張ります。」
「そうだな。髪も染め直さなきゃかな‥。その色、好きだけど。あ、あとメイクの道具も必要か。」
「海斗さん、なんでそこまでやってくれるんですか?」
「海斗さん!?くすぐったいから、海斗でいいよ。」
海斗は笑う。料理が運ばれてきた。海斗は、スプーンを来海に渡してあげた。 
「食べよう?」
「いただきます。」
二人で合掌して食べ始めた。
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