Love game
変化





穏やかな風が吹く中、思考停止の状態でドアを見つめていた俺の口元が自然と緩んでいく。




「…きっつい女」




今まで俺にあんな暴言浴びせた奴は初めてだった。



でも、不思議と苛立つこともなく。



むしろ心の奥に残ったのは、全く逆の気持ち…だったかもしれない。



なんか知んねーけど…
やっぱオトしてみたくなる。


ああいう奴初めてだから新鮮だ。




「あ、奈津!」




あぐらをかいて座っていると、聞き慣れた声が俺を呼んだ。




「おう賢」


「何呑気に煙草吸ってんだよ! お前今水谷と何か…」


「え、会ったの?」


「来る途中に会うだろ! キレ気味だったぞ。言い合いでも──」


「うん、したかもね」




煙を空に吐きながらヘラヘラ答える。




「何笑ってんだよ」


「ん〜いや。改めてあの女はすげぇなーと」


「嬉しそうだな」


「ははっ、どこが嬉しそうに見えんだよ!」


「…分かりやすい奴」




賢は盛大な溜め息をついて、フェンスに腕を乗せた。



目にかかった前髪をよけると、ボソッと呟いた。




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