Live as if you will die tomorrow
「と、燈真、ううう嘘吐いたろ!」


予想通り、動揺しまくりの崇が、ひっくり返った抗議の声を俺に上げる。


「何が」


「あれ!」


涼しい顔で訊いてやれば、崇はぎぎっと建物を指差した。



「中に人、いっぱい居るんですけど!」


「うん」


「皆黒ずくめ!」


「…うん」


「燈真ん家じゃないでしょ!」


「家だとは言ってない。」


「だってさっき…」


「そんなもんかなとは言った」


「じゃ、あれは何?!」


崇が何度も何度も指で突き刺す、《あれ》に俺が目をやると、崇も再び恐る恐る目をやる。

そして、空生は、さっきから多分ずっと見ていた。

つまり、三人で見つめた矢先ー



ガチャ。


「あ、オーナー。ちょうど良かった。二、三確認して頂きたい事があったんです」


黒ずくめ、もとい、黒で統一した制服に身を包んだ30代位の男が、ドアの間から顔を出した。



「わかった」


俺が頷いて、歩き出すと。


「オーナー??」

後から声も小走りする音も付いてくる。



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