Live as if you will die tomorrow
低レベルな争いに、俺は何も言う気が失せ、小さく肩を竦める。



「~じゃ、アホシ!バカシアホシ!」


「阿呆は馬鹿より悪くねーな。」


「崇はどっちもだもん!」



逃げるが勝ちととったのか、言い返すネタに尽きたのか、葉月はそう言うと走り出して、今来た道を戻り、直ぐに階段を上る音が聞こえてくる。

カンカンと、足で思いっきり蹴り上げて、わざと大きな音を立てて。



「嫌がらせかよ。」



音が収まって、再び静寂が戻った中、ふっと崇がそう零した瞬間。



ガチャ、バン!

カンカンカンカン!


さっきよりも、数倍けたたましく、階段を駆け下りる音が響いた。




「ーあ…」



そうだった、と思い当たったが、少し遅かった。



ーさっき言おうとしたら、崇とのバカ合戦が始まったんだよな。




「お兄ちゃん!!!!!!!」



小さなおかっぱは、少し頬を上気させて息を切らして俺を呼ぶ。






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