沈黙の境界線


恭吾が犯人であって欲しくない。


そう思いながら


確認することが恐かった。







恭吾の無機質で冷たい眼差し。







「会いたい」





不安で送ったメールに



返事はなかった。





ない代わりに





数日後




塾の講師を襲った犯人が捕まったと報道された。



犯人は未成年


その塾に通う16歳の少年



その内容に少しの安心を覚えながら


それでも


その報道に明らかに違和感を感じている私がいた。



講師が教われた日の恭吾からのメール。


タイミングが良すぎる。






胸騒ぎをなんとか抑えながら



何度も恭吾に電話をしても電源がはいっていなくて繋がらない。





< 52 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop