不良探偵
驚いた顔をする宅配員…斎藤。

「そりゃ東京連合と揉めてんだ、俺がお前らの事、何も調べねぇ訳ねぇだろが」

耕介はドアを閉めて外に出た。

「在日米軍の兵士を父親に持つハーフで、ガタイがよくて喧嘩強ぇのを認められて、鏑木の懐刀やってんだろ?前に、一緒に飲んでて鏑木に無礼働いたイケメン芸能人に追い込みかけて、非常階段のとこでステテコ一丁で土下座させたって噂は有名だからな」

「……」

宅配員の帽子を投げ捨て、ゆっくりと立ち上がる斎藤。

完全に目が据わっている。

まるで暴力団のヒットマンの顔だ。

こんな顔をして、一体何人の鏑木の敵を半死半生の目に遭わせてきたのか。

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