不良探偵
診療所内。

メスを片手に、鏑木は苛立っていた。

麻酔を打ったお陰で、肩の傷の痛みはそれほどでもなくなった。

彼を苛立たせているのは、外を包囲している警察。

結局の所、籠城など愚の骨頂。

状況を悪化させるに過ぎなかった。

見境なく暴れる事しか知らない愚か者。

東京連合の仲間を恐怖で支配していたやり方が、世の中全てに通用すると思っていた大馬鹿者。

「くそっ!包囲解かねぇと人質ぶっ殺すぞっっっっ!」

窓から身を乗り出して喚き散らしていた鏑木は。

「ぶふっっっ!」

突然ラペリングによって現れた耕介によって、顔面を蹴り飛ばされた!

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