私の最強冷酷彼氏様



 あぁ、私はこの人のことが





         好きなんだなぁ…ーーー





 初めてあって、まだ話もしたことがなくって、目もあってないのに。

 好きだっておもった。

 これが一目惚れなんだなって、一人で納得して。

 そして、この人の笑顔が見たいっておもった。

 その何もうつしていない顔を、瞳をどんなふうに歪ませて笑うのかなって、すごく気になった。

 だから、ついつい言ってしまった。


    “ 好き ” だって。


 さっきまでどこを見ているかわからなかったその人の瞳が、今ははっきりと私をとらえる。

 だけどその顔は先程とかわらず、何もうつしていなかった。

 それでも、私の気持ちはおさえられなかった

 勘違いでもいい。

 今だけでもいい。

ただ、伝えたかった。貴方が好きだって…


 椅子に座って煙草を吸っている貴方に近づく。

  うまく言えるかわからない

 好きだって思うのも、好きだっていうのも

貴方が初めてだから。

 でも、下手でもいい。

 ただ、伝えたいだけだから。


「貴方の名前も、年もっ何一つ知らないけど、でも、貴方のことが好きですっ」

  どうしても貴方を見つめることができなくて、足元にいってしまう視線


「宮本紅月ミヤモトアカツキ、22」


「えっ」

 急に聞こえた低い声に驚き、貴方を見る


 だけど貴方は言葉を発することはなく、ただ私を見ていた。

 近くで見る貴方の顔は息を飲むほど綺麗で、外灯に照らされて反射する瞳の色は、綺麗なグレーだった。



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