南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


私の質問に、

「ちょっと目離すと、すぐ知らないやつに可愛がられてる辺り⁇」


少しの沈黙の後、クスッと笑いながら答える南くん。


ちょっと目を離すと…知らないやつに…可愛がられてる?


うん、トイプードルの場合は安易に想像がつくよ。

道端とかで通りすがりの人に”可愛いね〜”って、ワシャワシャされてる感じのやつでしょ?


その人間バージョンって…

「…それは、どういう意味ですか?」


控えめに聞いたら、鬼畜な南くんでも教えてくれるかも…なんて

「…知らね。」


私の考えはどこまでも甘かった。


「え、ちょ!南くん!」


そのまま私には背を向ける南くんを慌てて引きとめれば


「トイレ…行かないともう授業始まるけど?」

「っぬぁ?!もうそんな時間!」


トイレに来たことをすっかり忘れてた。って、南くん行っちゃったし!!!


話逸らされた。
本当、どこまでもずるい。


でも、本当よかった。南くんに彼女がいなくてよかった。


私の恋は、まだまだ終わりそうにありません!!


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