南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )



入り口を少し入ったところに、まとめて置かれた空き缶。


そこに自分が持っている分も静かに下ろせば


ーーーガタッ



静かな空間に空き缶を置く音だけが響いて、何だか虚しくなってきた。


こんなに近くにいるのに、話せない、触れられない…好きって言いたい。


私を軽く横目で見た後、何も言わずに出て行こうとする南くんに


「ま、また…これも独り言…」


気付けばとっさに叫んでた。


もう、もう2度と話せないなら…伝えておきたいことがある。

本当はもっと、ずっとずっと南くんをバカみたいに追いかけていたかったけど


……せめて、最後にもう一度だけ。

独り言で構わないから。


「…今まで、ごめんね?南くん…。
でも絶対、誤解されたくないから言わせて。私はずっと南くんのことだけが大好きだよ。

南くんと話せるだけで嬉しくて、南くんに話しかけて貰えた日なんか…どれだけ私が幸せな気持ちだったか知らないでしょ?

南くんにキ、キスされた後…怒るどころかドキドキし過ぎて死んじゃうかと思った。み、南くんにとっては何てことないんだろうけど…

…あと!ファーストキスの相手は南くんなの。初めてじゃないって言ったのは、小さい頃にお兄ちゃんにキスされた事があって…それで、ぅわっ!」



「…もう、黙ってろ。」


「み、南くん…!?」


急に視界が暗くなったかとおもえば…背中に回された腕から南くんの体温を感じて、耳元で南くんの声がする。


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