南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


「なんだよ。」

「え、だって!!南くんのクッキーだよね?これ…」


南くんが差し出したのは、今日の調理実習で作ったであろうクッキー。

まさか、南くんからクッキーを貰えるなんて夢にも思ってなかったから、なかなかそれに手を伸ばすことが出来ない。


「俺のじゃない方が良かった?」

「いやいや!そうじゃなくて、だって…南くんが私にクッキー…?浅井さんにじゃなくて?」


私がなかなか受け取らないことにイライラを募らせ始める南くん。


「…何で浅井さん?お前にやるって言ってんのに。…いらねぇならいい。」

「あ、ちょっ!待って待って!!欲しい!欲しいです、南くんのクッキー!」


帰ろうとする南くんの腕を必死に掴んで今度はクッキーが欲しいと懇願する羽目に。
< 42 / 288 >

この作品をシェア

pagetop