複数人(ヤンデレ)に求愛されています

出来ないと言っておきながら、チートさんは何でもありだと頭の隅が警笛中。

実際、彼は何やら怪しい液体が入った小瓶を出してきた。

「ヒホポポホタタスが吐く睡眠液から作った薬」

「なんですか、その、ものすごく噛みそうな名前は……」

「南の湿地帯に住んでいる伝説のモンスター。絶滅危惧種で、恐らく最後の一頭だったのだけど、そいつが吐く睡眠液は全ての奴を強制的に眠らせて、永遠の眠りにつかせる。ただ、その代償にヒホポポホタタスは睡眠液を吐くと同時に死んでしまうから、そう易々と手に入る代物じゃないのだけど。昨晩の夢を見たあとに、フィーナにもあの喜びを知ってほしくて、今朝狩りに行って、調合しておいたんだ」

「ちょっとした思いつきで絶滅危惧種を、絶滅種にさせてませんか!?」

小瓶をイーヤーと拒否して見るけど、中の液体が半分も入っていないことに気づいた。気づいて、青ざめる。

「永遠の眠りはつきたくないから、24時間だけの眠りにして、しかもか夢の共有が出来るように仕上げた。しかもしかも、フィーナが美味しく飲めるように甘い液体に仕上げてみたのだけど」

出来上がったアップルパイを見る。
二倍も膨らんだゲノゲさんが食べ尽くしたらしいけど、私も彼も食べていて。

これらの材料を全て用意してくれたのもーー

「じゃあ、フィーナ。100人の俺に愛されに行こうか!」

爽やかなのにどす黒い笑顔を見たが最後、私はその場で24時間の眠りを強いられてしまったのだった。










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