s m i l e .
「今日は、雨宮 桜さんの新曲を紹介します!それでは――」
早速テレビをつけると私の名前が出てきていた。やっぱり、作ったばかりの曲の発表は未だに緊張するものだ。曲が終わり、沢山の拍手も止まり、緊張が解けて上がっていた肩が下がる。

「――続いて、小崎 悠さんです!」
その言葉に下がった肩が、また上がる。人柄も良く、成績優秀、作詞作曲、楽器演奏、非の打ち所の無い小崎さんに、密かに想いを秘めている。

そんな小崎さんと、今度ライブをすることになったのだった。もちろん、二人でするのではないのだけれど、やっぱりステージで一緒に音楽が出来るとなると嬉しいものだ。

小崎さんの唄も終わってしまい、テレビの電源を消し、ベッドに飛び込んだ。

「やっぱり、届かないのかなあ」
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