幽玄の國に誘われ




そして、朝のHRも終わりあっという間に放課後になった。教室には私を含む生徒が数人残っていた。







「うぅ……最悪……今日はついてない……」






え?私は今 なにしてるかって?……実は今 ものすごくテンション低くて、落ち込みモード真っ只中です。






「あはは 今日はやられたね〜のぶっちに」






「うぅ……」





智ちゃんのいう「のぶっち」というのは、私のクラスよ担任で社会の先生である。本名は信之(ノブユキ)という






「今日の信之先生はいつもとは違うやり方でしたからね」






そう!何故か今日はあの先生、いつもとは違うやり方で起こしに来たんです。……まさか気配を消してくるとは……






「あれには クラス全員が驚いてもう居眠りしないっ
て心に決めたやつが多いと思うよ と言っても、途中からみんな事の成り行きをワクワクしながら見守ってたんだどね(笑)」






「ぇえ!?そうだったの!! ……というか おのれのぶりんめ 明日はリベンジだ」





「というかそもそも寝なければ良いのでは?」





「琴音ちゃん そこツッコんじゃいけないところ」






そんなこんなで話が盛り上がりふと、時計を見るともう6時半をまわっていた。





「そろそろ帰りませんと、親が心配しますわね」





「あ!私 今日は用事があるんだった!ごめん 2人とも 私 帰るね!!」





「うん!また明日〜」




「お気をつけて」




私は慌てて教室から出た。







































……また明日…… 私はこの時、まだ気づかなかった








私にとって この平穏な日常が明日も続くと思ってい


たから……















でも、

この「また明日」は もう訪れることがないという事を









私はまだ知らない……













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