全てが終わりを告げる時

相次ぐ事件

「──、……き……輝祈!!」


「……!! っ!?」


はっと我に返ると、柚希が眉を八の字にして、顔を近付けていた


「大丈夫!? 輝祈───泣いてるよ?」


「……え?」


慌てて頬を触ると、私は確かに泣いていて


手がじわりと、涙で濡れた



「長いこと意識が飛んでいたようだけど、何かあったのかい?」


慎也も柚希の横で、心配そうな顔をしている



「……いいえ、何でもないわ

心配しないで

ただちょっと……昔のことを、思い出していただけよ」



自身の首にかかっている〝それ〟を、ギュッと握り締めた


二つの指輪が通された、銀色に輝くチェーンネックレスを───



「……これは少々、厄介なことになるかもしれないね

すまないけど、話を戻させてもらうよ」


慎也がそう切り出した


柚希は一度、こちらを心配げに見ると、表情をすぐに引き締め、慎也の方を見た


右手で涙を強く拭い、私も頷く



「綾瀬実栗と関わった……いや、綾瀬実栗を呼び出した生徒は、その全員が自主退学を申し出ている……

もしそれが、ただの退学であれば、まだ良いけど、もしかしたら事件に通じているかもしれない

輝祈は、そう考えているのかな?」


「ええ……」


「もし、それが事件へと通じているとすると、そうのんびりはしていられないね」


穏やかな口調だが、その中には焦りの色が見えた
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