君を愛さずには いられない
東京は夜中のはずだ。

中野から返信が来た。

それには驚くような内容が記されていた。

「2年間お疲れさまです。局長からの指示です。帰国せずそのままパリ支部へ飛ぶように。現地でスタッフが待機しています。詳細は添付資料をご確認願います。1年後の帰国を心からお待ちしております。」

「クソッ。」

俺は添付を開いた。

1年追加だと?

河村も同行させろ?

冗談じゃない。

俺は一時帰国願いを局長にメールした。

局長からの返信は明日になるだろう。

翌日河村にパリ行きを伝えた。

彼女は俺の意に反して大喜びだ。

グランマ(母方の祖母)に会えると言うのだ。

勝手にしろ。

とにかく俺は有給休暇を使ってでも

一度東京に帰りたかった。

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