クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
何……この人?

バックと買い物袋が手から落ちて、リンゴが地面にコロコロと転がる。

マズイ!

逃げなきゃ!

脳はそう命令しているのに、腰が抜けて思うように動けない。

目を逸らしたくても逸らせない。

絶体絶命。

男が口角を上げ、私の方にゆっくりと近づいて来る。

怖くて手だけで後退りするが、何の意味もない。

男に乱暴に髪を捕まれ「痛い!」っと声を上げると、もう片方の手で口を塞がれ睨まれた。

「声を出すな!」
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